SEXが終わったあと。
そのまま相手を抱きしめていたい人がいます。
何となく手をつないでいたい。
少し話をしたい。
相手の体温を感じながら眠りたい。
ところが、反対の人もいます。
終わったら少し離れたい。
シャワーを浴びたい。
スマホを見たい。
一人でぼんやりしたい。
場合によっては、急に会話まで少なくなる。
隣にいる相手からすると、
「さっきまであんなに近かったのに、どうして?」
と思ってしまいます。
もっと厄介なのは、
「抱きしめてくれない=愛情がないのでは?」
と感じてしまうことです。
でも、最初に答えると、
SEXのあとに抱きしめたくなる人と、少し離れたくなる人がいること自体は、それほど不思議ではありません。
性的な興奮が落ち着いたあとの身体反応、心理状態、普段からの距離感、相手との関係などによって、SEX後に心地よいと感じる距離は変わります。
そして重要なのは、
SEXのあとの距離だけで、その人の愛情まで決めないこと。
今回は、なぜSEXのあとに「もっと近づきたい人」と「少し離れたい人」がいるのかを考えてみます。
SEXが終わると、体の状態は大きく変わる
SEXの前と後では、気持ちだけではなく体の状態も違います。
性的に興奮しているときには、注意が相手や刺激に向き、身体もその状態に合わせて変化しています。
ところがオーガズムなどを境に興奮が落ち着くと、身体は回復する方向へ移っていきます。
眠くなる。
力が抜ける。
急に静かになりたくなる。
何も考えたくなくなる。
そんな変化が起こる人もいます。
つまり、
「急に離れた=急に嫌いになった」
とは限りません。
本人の中では、
「嫌だから離れたい」
ではなく、
「終わったから休みたい」
だけということもあります。
ここを恋愛感情に翻訳してしまうと、二人の間に妙な誤解が生まれます。
反対に、SEXのあとほど近くにいたくなる人もいる
一方で、SEXのあとに相手との距離を縮めたくなる人もいます。
抱きしめる。
腕枕をする。
髪に触れる。
何でもない話をする。
そのまま一緒に眠る。
こうした時間まで含めて「SEX」だと感じる人もいるでしょう。
このタイプの人にとっては、行為そのものが終わっても、親密な時間は終わっていません。
むしろ興奮が落ち着いてからのほうが、
「好きだな」
「一緒にいられてよかったな」
という感情を感じやすいこともあります。
だから相手が終わった途端に背中を向けると、
自分だけ置いていかれたような気持ちになる。
身体の距離は30センチくらいしか離れていないのに、心はずいぶん遠くなったように感じる。
SEXのあとのすれ違いは、こうして始まることがあります。
「抱きしめたい」と「離れたい」は愛情の強さだけでは決まらない
ここはかなり大切です。
抱きしめる人=愛情が深い。
離れる人=愛情が薄い。
そんな単純な話ではありません。
普段から身体的な触れ合いが好きな人もいます。
反対に、好きな人であっても長時間密着していると疲れる人もいます。
暑い。
汗をかいている。
眠い。
体勢が苦しい。
翌朝が早い。
理由は案外、現実的だったりします。
若い頃なら朝まで抱き合って眠るのもロマンチックなのでしょうが、61歳になると、
「この腕、そろそろ抜かないと明日の肩が……」
という問題も出てきます(笑)。
愛情と肩関節は別問題です。
だから、身体を離したという一つの行動だけで、
「愛されていない」
と結論を出すのは少し早いと思います。
それでも、SEX後の態度が気になるのには理由がある
とはいえ、
「気にしなくていい」
で済ませるのも違います。
なぜならSEXのあとというのは、普段より心が無防備になりやすい時間だからです。
服を着て普通に会話しているときとは違います。
身体を見せた。
触れられた。
自分も相手に触れた。
とても近いところまで相手を受け入れた。
その直後に急に距離を取られると、
「拒絶された」
ように感じることがあります。
特に、
自分の体に自信がない。
相手に愛されているか不安。
過去の恋愛で傷ついたことがある。
そんな人なら、なおさらでしょう。
「終わったから離れただけ」
という相手の行動が、
「目的が終わったから、もう私は必要ない」
という意味に見えてしまうことがあります。
相手にはそんなつもりがなくてもです。
SEXのあとに急に冷たくなる人はどう考えればいいのか
では、どこから注意したほうがいいのでしょう。
私は、抱きしめるかどうかだけでは判断しないほうがいいと思います。
見るなら、もっと広い範囲です。
SEXが終わったあと少し離れる。
でも、
「大丈夫?」
と気にかけてくれる。
水を持ってきてくれる。
普通に話をする。
帰るときも優しい。
翌日にも連絡がある。
次に会う約束もする。
こういう人なら、単にSEX後は一人で落ち着きたいタイプなのかもしれません。
反対に、
終わった瞬間から会話がなくなる。
露骨に面倒そうになる。
すぐ帰らせようとする。
その後は連絡が途切れる。
会いたいと言うのはSEXしたいときだけ。
こうしたことが何度も続くなら、
「SEX後に離れた」という一場面ではなく、関係そのものを見たほうがいいでしょう。
問題は抱きしめなかったことではありません。
自分がどう扱われているかです。
男性は離れたくなり、女性は抱きしめたくなるのか
こういう話になると、
「男はSEXが終わると冷める」
「女性はSEXのあとに愛情を求める」
という説明を見かけることがあります。
平均的な傾向を説明するために、ホルモンや性的反応の違いが語られることもあります。
ただ、それだけで男女をきれいに分けてしまうのは無理があります。
男性でもSEX後にずっと抱きしめていたい人はいます。
女性でも、
「終わったら一人で寝たい」
という人はいます。
むしろ現実の二人にとって大切なのは、
男性だから、女性だからではなく、この人はどういう人なのか。
こちらでしょう。
性欲の記事でも何度か触れてきましたが、男女の平均的な違いと、目の前にいる一人の人間は同じではありません。
恋愛では、平均値と付き合うわけではないですからね。
SEXのあとに話したくなる人、話したくない人もいる
身体の距離だけではありません。
会話にも違いが出ます。
SEXのあと、
「今日どうだった?」
「気持ちよかった?」
「最近仕事どう?」
となぜか話したくなる人がいます。
一方、
……。
静かにしていたい人もいます。
ここでも、
「話してくれない=心を開いていない」
とは限りません。
ただし、片方にとってSEX後の会話が大切なら、毎回無言で背中を向けられるのはやはり寂しいでしょう。
こういう問題は、
どちらが正常か。
どちらが愛情深いか。
という話にすると解決しにくくなります。
二人が心地よい距離が違う。
まずはそこから考えたほうがいいと思います。
本当は「抱きしめてほしい」と言えないこともある
SEXの話で難しいのは、肝心なことほど言いにくいところです。
「もう少し抱きしめてほしい」
たったこれだけなのですが、意外と言えません。
なぜでしょう。
言わなくてもしてほしいからです。
自分から頼んで抱きしめてもらったら、
「本当はしたくなかったのかな」
と思ってしまう。
だから黙っている。
相手は、
「終わったらゆっくりしたい人なんだろう」
と思って離れる。
こちらは、
「やっぱり抱きしめてくれない」
と寂しくなる。
相手は何も知らない。
なかなか見事なすれ違いです。
恋愛ではよくあります。
「察してほしい」は、相手に問題文を渡さずに正解を求めているようなものなのかもしれません。
「5分だけくっついていたい」でもいい
こういうとき、私は大げさな話し合いにしなくてもいいと思っています。
「SEX後の私たちの愛着行動について話し合いたい」
なんて始めたら、相手も少し身構えるでしょう(笑)。
もっと普通でいい。
「終わったあと、ちょっとだけくっついてるの好きなんだよね」
「すぐ離れられると、少し寂しいかも」
「暑かったら5分だけでいいよ」
そのくらいです。
反対に離れたい側も、
「嫌なわけじゃなくて、終わったあとは少し一人でぼーっとしたくなるんだ」
と言えばいい。
これだけで、
「愛されていない」
と
「少し休みたい」
の間にあった大きな誤解が消えることがあります。
SEXの相性は、行為中だけでは決まらない
「SEXの相性」というと、
体の相性。
感じ方。
体位。
性欲の強さ。
そういうところを考えがちです。
もちろん、それもあります。
でも長い関係になってくると、私は終わったあとの過ごし方も相性の一部だと思います。
抱きしめたい人。
離れたい人。
話したい人。
眠りたい人。
シャワーを浴びたい人。
水を飲みたい人。
妙にお腹が空く人もいるでしょう。
人それぞれです。
最初からぴったり一致する必要はありません。
問題は違うことではなく、
違ったときに相手の心地よさを少し考えられるか。
こちらだと思います。
抱きしめたい側が少し待つ。
離れたい側が少しだけそばにいる。
そんな小さな調整で、二人のSEXの印象そのものが変わることがあります。
SEXのあとこそ、その人との「心の距離」が見えることがある
SEXの最中には、ある意味わかりやすい目的があります。
でも終わったあとは違います。
何をするか決まっていません。
だからこそ、その人らしさが出ることがあります。
相手を気遣う人。
すぐ眠る人。
照れ隠しで冗談を言う人。
抱きしめる人。
少し離れる人。
どれが正解というわけではありません。
ただ、そこで自分が、
「大切にされている」
と感じられるかどうか。
これは覚えておいていいと思います。
抱きしめてもらわなくても、大切にされていると感じる関係があります。
反対に、抱きしめられていても、どこか寂しい関係もあります。
身体の距離と心の距離は、必ずしも同じではない。
SEXという、とても近い行為だからこそ、それが見えることがあります。
まとめ|違うのは愛情ではなく「心地よい距離」かもしれない
SEXのあとに抱きしめたくなる人。
少し離れたくなる人。
この違いだけで、
愛情が深い。
冷たい。
男性だから。
女性だから。
と決める必要はありません。
身体の反応も違います。
性格も違う。
触れ合いに求めるものも違います。
SEXが終わったあとに、
もっとつながっていたい人もいれば、
一度自分の世界に戻りたい人もいる。
大切なのは、
相手と自分の心地よい距離が違うことを、愛情の有無と混同しないこと。
そして、それでも寂しいなら、
「私はもう少しくっついていたい」
と伝えてみる。
逆なら、
「嫌いなわけじゃないんだけど、少しぼーっとしたい」
と言ってみる。
その一言があるだけで、SEX後の沈黙の意味はずいぶん変わります。
相手の行動を見て、
「愛されていないのかな」
と一人で答えを作るより、
二人で少しずつ心地よい距離を見つける。
SEXの相性というのは、案外そんなところにも表れるのではないでしょうか。
運営者のメッセージ
SEXというと、どうしても「するまで」と「している最中」の話が多くなります。
でも長く人と付き合っていくと、その後の時間も結構大事なんですよね。
抱きしめるのか。
話すのか。
眠るのか。
背中を向けるのか。
そこに絶対の正解はないと思います。
ただ、自分にとって何でもない行動が、相手には寂しく感じられることがあります。
反対に、愛情を示しているつもりの行動が、相手には少し重たいこともあるでしょう。
だからSEXのあとくらい、
「普通はこうするもの」
から離れてもいいのではないでしょうか。
抱きしめたいなら抱きしめる。
離れたいなら少し離れる。
そして相手が違うなら、ほんの少し歩み寄る。
若い頃は「相性がいい人」というのは、最初から何もかも合う人だと思っていました。
61歳になった今は、少し違います。
違うところがあっても、二人でちょうどいい場所を探せる人。
そういう相手もまた、「相性がいい人」なのだと思います。
