老後の夫婦に恋愛感情は必要なのか|人生の後半で見えてくる本当の愛【愛情の器シリーズ⑫・最終回】

愛情の器シリーズを書き始めてから、ずいぶん長い旅をしてきました。

人は本当に一人しか愛せないのか。

愛と独占欲は同じなのか。

誠実さとは何なのか。

承認欲求。

依存。

運命の人。

犬との愛情。

ペットロス。

そして、愛する人を失ったあとも残る愛について考えてきました。

振り返ると、このシリーズは恋愛について書いているようで、実は人生そのものについて考えていたのかもしれません。

そして今回は最終回です。

61歳になった今、私が感じている「愛の形」を書いてみたいと思います。


目次

若い頃は恋愛がゴールだと思っていた

20代の頃は、

恋愛をして結婚することが幸せだと思っていました。

好きな人と結ばれること。

家庭を持つこと。

それが人生のゴールのように感じていました。

もちろん、それは間違いではありません。

恋愛には人生を変える力があります。

しかし人生を長く歩いていると、少しずつ見える景色が変わってきます。


夫婦は恋人ではなくなっていく

結婚生活が長くなると、

若い頃のようなドキドキは少なくなるかもしれません。

毎日同じ家で暮らし、

同じ食卓を囲み、

同じ季節を何度も迎える。

刺激は減ります。

でも、その代わりに増えていくものがあります。

安心感です。

「あの人が家にいる。」

それだけで落ち着く。

若い頃には分からなかった感覚です。


一人の時間も大切になった

61歳になって考えるのは、

私は一人の時間も好きだということです。

炊事もできます。

洗濯もできます。

掃除もできます。

生活だけを考えれば、一人でも困ることはありません。

むしろ私は人に気を使う性格なので、

一人で過ごす時間が心を整えてくれます。

昔はそんな自分を、

冷たい人間なのではないかと思ったこともありました。

でも今は違います。

一人でいられることと、

誰かを愛することは別の話なのだと思っています。


必要だから一緒にいるのではない

このシリーズの中で、

私は何度も

「依存」と「愛情」の違いを書いてきました。

今、私が思うのは、

人生の後半になるほど、

必要だから一緒にいるのではなく、

一緒にいたいから一緒にいる関係が増えていくということです。

生活のためではない。

寂しいからでもない。

ただ、

今日も元気でいてくれてありがとう。

そう思えること。

それだけで十分なのかもしれません。


恋愛感情は消えるのだろうか

「老後になると恋愛感情はなくなる。」

そんな話を聞くことがあります。

でも私は、

恋愛感情は消えるのではなく、

形が変わるのだと思っています。

若い頃は、

会いたい。

触れたい。

一緒にいたい。

そんな気持ちが中心でした。

でも人生の後半では、

無理をしないでほしい。

体を大切にしてほしい。

笑っていてほしい。

そんな願いが増えていきます。

それも立派な愛情ではないでしょうか。


愛犬から学んだこと

愛犬と暮らしていて思うことがあります。

何か特別なことをしなくても、

ただ隣にいるだけで安心する。

言葉はありません。

約束もありません。

でも信頼があります。

夫婦も、本来はそんな関係なのかもしれません。

沈黙が苦にならない。

同じ景色を見ていられる。

それだけで満たされる。

そんな時間が増えることは、

決して恋愛が終わったということではないと思います。


愛情の器とは何だったのか

このシリーズを書き始めた頃、

私は「愛情の器」という言葉を使いました。

器が大きい人もいれば、

小さい人もいるのではないか。

そんなことを考えていました。

でも今は少し違います。

器の大きさではなく、

その器に何を入れるのか。

それが大切なのではないでしょうか。

思いやり。

感謝。

安心。

信頼。

それらが少しずつ積み重なった器こそ、

本当の愛情なのかもしれません。


61歳になって考えること

61歳になって考えるのは、

人生は思っていたより短いということです。

若い頃は未来ばかり見ていました。

今は今日という一日が、とても大切に思えます。

誰かと笑えること。

一緒に食事ができること。

「おはよう」と言えること。

「おやすみ」と言えること。

そういう当たり前の時間が、

実は人生で一番贅沢なのかもしれません。


このシリーズを書き終えて

最初は、

「人は本当に一人しか愛せないのか。」

という疑問から始まりました。

そこから十二回にわたって、

私は愛について考え続けました。

結局、明確な答えは見つかりませんでした。

でも一つだけ分かったことがあります。

愛とは、

相手を変えることではなく、

相手がその人らしく生きられることを願う気持ちなのかもしれません。

そして、

自分もまた自然体でいられること。

その二つが重なった時、

人は安心して人生を歩いていけるのだと思います。


まとめ

恋愛は人生を彩ります。

結婚は人生を支えます。

家族は人生を広げます。

友人は人生を豊かにします。

愛犬は人生を癒やしてくれます。

そして、そのすべてに共通しているものがあります。

「相手が幸せでいてくれたら、それで嬉しい。」

その気持ちこそが、

私がこのシリーズを書きながら最後にたどり着いた答えです。

愛情の器は、人によって形も大きさも違うでしょう。

でも、その器の中に思いやりを注ぎ続けることは、

誰にでもできるのではないでしょうか。

もしこのシリーズが、誰かが自分自身の愛情について考えるきっかけになれたなら、これほど嬉しいことはありません。

長いシリーズに最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

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