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愛と独占欲は別物かもしれない|愛情の器シリーズ②

前回の記事では、

「愛情の器は人によって違うのかもしれない」

という話を書きました。

人によっては一人だけを深く愛する。

また別の人は複数の人に同時に愛情を向けられる。

そんな可能性について考えてみました。

すると必ず出てくる疑問があります。

それは、

「本当に愛しているなら他の人を好きになるはずがない」

という考えです。

たしかにそう思う人は多いでしょう。

むしろ世の中ではその考えのほうが一般的です。

しかし私は長年、人間関係を見てきて思うことがあります。

もしかすると私たちは、

愛と独占欲を同じものとして扱いすぎているのかもしれません。

人は本当に一人しか愛せないのか|愛情の器シリーズ①


目次

愛しているから独占したいのか

恋人ができると、

相手の行動が気になります。

誰と会っているのか。

誰とLINEしているのか。

異性と食事に行っていないか。

私も若い頃はそうでした。

電話が来ないだけで不安になったことがあります。

今思うと少し恥ずかしいですが、それも恋愛だったのでしょう。

相手を失いたくない。

特別な存在でいたい。

そう思うのは自然なことです。

ですが、ここで少し立ち止まって考えてみます。

その気持ちは本当に愛情なのでしょうか。

それとも不安なのでしょうか。


嫉妬の正体は愛ではなく恐れかもしれない

嫉妬という感情があります。

誰もが経験したことがあるでしょう。

恋人が他の異性と仲良くしている。

元恋人の話をする。

自分より楽しそうにしている。

そんな時に胸がざわつきます。

しかしよく考えると、

嫉妬は相手の幸せを願う感情ではありません。

むしろ逆です。

「自分から離れてほしくない」

という気持ちです。

心理学では嫉妬の背景に、

喪失への恐怖があると言われています。

失いたくない。

捨てられたくない。

比較されたくない。

つまり嫉妬は、

愛そのものというより不安から生まれる感情とも考えられるのです。

もちろん不安を持つことは悪くありません。

人間らしい感情です。

ただ、

愛と嫉妬は完全に同じものではない。

私はそう思います。


愛情と所有欲

少し極端な例を考えてみます。

あなたが大切にしている犬がいるとします。

その犬が家族全員に懐いています。

奥さんにも懐く。

子供にも懐く。

孫にも懐く。

その時、

「私だけに懐いてほしい」

と思うでしょうか。

もちろん多少はあるかもしれません。

でも普通は、

みんなに愛されている姿を見ると嬉しくなります。

では恋愛になるとどうでしょう。

途端に話が変わります。

自分だけを見てほしい。

自分だけを愛してほしい。

そう思う人が多くなります。

ここに恋愛特有の所有欲が存在している気がします。

所有欲という言葉は少し強いかもしれません。

しかし実際には、

私たちは恋人に対して少なからず独占的な感情を持っています。


一人しか愛せない人もいる

ここで誤解してほしくないことがあります。

私は、

「複数を愛せる人が優れている」

と言いたいわけではありません。

むしろ逆です。

一人を深く愛し続ける人には、それはそれで大きな魅力があります。

誠実さ。

集中力。

献身性。

安心感。

そういったものを感じます。

人によって愛情の向き方は違います。

深く狭く愛する人。

広く愛する人。

その違いは能力の優劣ではなく個性なのかもしれません。


複数を愛せる人は冷たい人なのか

複数を愛せると言うと、

冷たい人と思われることがあります。

誰も本気で愛していないのだろう。

責任感がないのだろう。

そんな見方をされることもあります。

しかし必ずしもそうとは限りません。

実際には逆のケースもあります。

相手の長所を見つけるのが上手な人。

人との距離感を柔軟に考えられる人。

愛情表現が豊かな人。

そういう人ほど複数の人に好意を持ちやすい場合もあります。

もちろんだからといって、

全員と恋愛関係になるべきという話ではありません。

感情と行動は別だからです。


人間は一人では生きられない

私は60歳を超えてから改めて思います。

人は一人では生きられません。

家族がいます。

友人がいます。

同僚がいます。

近所の人もいます。

趣味仲間もいます。

その全員との関係が人生を支えています。

もし愛情が一人分しか存在しないなら、

そんな世界は成り立たないでしょう。

私たちは実際には、

多くの人とのつながりの中で生きています。

そしてその一つ一つに、

少しずつ違う愛情を持っています。


愛と恋は同じではない

ここで重要なことがあります。

愛と恋は同じではありません。

恋には熱があります。

興奮があります。

性的魅力があります。

ドキドキがあります。

一方で愛には、

安心感があります。

信頼があります。

相手の幸せを願う気持ちがあります。

恋は一人に集中しやすい。

しかし愛はもっと広がりを持っています。

だから私は、

複数の人を愛せるという感覚は、

恋よりも愛に近いものではないかと思うのです。


それでも現実は簡単ではない

ここまで読むと、

「じゃあ複数愛でも問題ないじゃないか」

と思う人もいるかもしれません。

しかし現実はそんなに単純ではありません。

人は感情だけで生きているわけではないからです。

嫉妬があります。

不安があります。

社会的な責任があります。

結婚制度もあります。

子供への影響もあります。

だから感情として複数を愛せることと、

現実に複数の関係を築くことは全く別問題です。

ここを混同すると誰かを傷つけます。


まとめ

私たちは愛と独占欲を同じものだと思いがちです。

しかしよく考えると、

愛は相手の幸せを願う感情です。

独占欲は失いたくないという感情です。

似ているようで少し違います。

そして人によっては、

複数の人に愛情を向けられる場合もあります。

それは必ずしも不誠実だからではありません。

愛情の感じ方そのものが違うのかもしれません。

ただし感情と現実は別です。

人を愛する自由があるように、

相手が傷つく自由もありません。

次回は最終回として、

「愛情の器が大きくても人は傷つく」

という現実について考えてみたいと思います。

愛情と誠実さは同じなのか。

そして本当に人を幸せにする愛とは何なのか。

そこを掘り下げてみたいと思います。

快楽の追求シリーズ 第1部

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