「男性のほうが性欲が強い」
よく聞く話ですよね。
でも、本当にそうなのでしょうか。
女性のほうが性欲の強いカップルもいますし、男性でもSEXにそれほど関心がない人はいます。
それなのに、なぜ昔から「男性は性欲が強い、女性は弱い」と言われてきたのでしょう。
最初に答えると、男女の性欲には平均的に違いが見られるという研究はあります。
ただし、
男性だから必ず性欲が強い。女性だから弱い。
という意味ではありません。
ここはかなり大事です。
男女という大きな集団で比べれば一定の傾向が見えても、一人ひとりを比べれば当然重なります。
性欲の強い女性もいる。
それほど強くない男性もいる。
さらに年齢、ホルモン、体調、ストレス、睡眠、恋愛関係、その人自身の経験でも変わります。
つまり、
「男女差はある。でも、それだけではその人の性欲はわからない」
くらいに考えるのが一番現実に近いのでしょう。
今回は、男性と女性で性欲に違いがあると言われる理由を、身体と心理の両方から考えてみます。
男性のほうが性欲が強いというのは本当なのか
まず、ここからですよね。
これまでの研究では平均的に見ると、男性のほうが性的なことを考える頻度や性的欲求などが高く報告される傾向があります。
ただ、ここで「ほら、やっぱり男のほうが性欲が強い」と終わってしまうと、この記事を書く意味がありません。
平均値と個人は別だからです。
たとえば身長を考えるとわかりやすいでしょう。
平均すれば男性のほうが高い。
でも、すべての男性がすべての女性より背が高いわけではありません。
性欲にも似たところがあります。
男女差という傾向はあっても、
「あなたは男性だから性欲が強いはず」
「女性なのに性欲が強いのは変だ」
とは言えない。
むしろ恋愛や夫婦生活で問題になるのは、男女差より二人の個人差だったりします。
妻のほうが求めることもある。
夫のほうがその気になれないこともある。
現実の男女は、教科書ほどきれいには分かれてくれません。
男女の性欲の違いにはホルモンが関係している
では、なぜ平均的な違いが生まれるのでしょう。
一つはホルモンです。
性欲との関係でよく知られているのがテストステロンです。
男性だけのホルモンと思われがちですが、女性の体にもあります。
ただし、その量には大きな男女差があります。
テストステロンは性的欲求に関係するため、これが男女の性欲差を説明する要素の一つと考えられています。
だからといって、
「テストステロンが多い=いつでもSEXしたい」
というほど単純ではありません。
人間なら便利だったんですけどね。
ホルモンの数値だけ見れば、
「今日は性欲75点です」
なんてわかるなら夫婦喧嘩も少し減るかもしれません(笑)。
実際には、脳も体調も心理状態も関係します。
女性の場合には月経周期や妊娠・出産、更年期などに伴う身体の変化もあります。
男性も年齢とともにホルモン環境が変わります。
性欲は固定された性格ではなく、同じ人の中でも動くものなんです。
男性は「突然」、女性は「じわじわ」性欲が出てくるのか
男女差について調べていると、もう一つ興味深い考え方に出会います。
性欲には、何もないところから自然に湧いてくるタイプと、親密な時間や刺激などをきっかけに後から高まってくるタイプがある、という考え方です。
朝起きたらなんとなくその気だった。
相手を見て急に性的な魅力を感じた。
こういう欲求もあります。
一方で、
最初は別にその気ではなかった。
でも二人でゆっくり話していた。
近くに座った。
触れ合っているうちに、
「あ、今日はいいかも」
となることもあります。
後者のような性欲の現れ方は、女性で経験されることが比較的多いとされています。
これを知らないと、二人の間で妙なことが起こります。
一方は、
「その気になったから触れたい」
と思っている。
もう一方は、
「まだその気じゃない」
と思っている。
ここだけ見ると性欲の強い・弱いに見えます。
でも実は、性欲が始まる順番が違うだけなのかもしれません。
これは夫婦のすれ違いを考えるとき、かなり重要な違いだと思います。
男性は視覚、女性は心理――そこまで単純ではない
「男は目で興奮する。女は心で興奮する」
これもよく聞きます。
わかりやすい言葉ですが、少し乱暴です。
男性に視覚的な性的刺激への反応が比較的強く見られる研究はあります。
でも、男性だって相手との関係や気分に左右されます。
女性だって見た目に性的魅力を感じます。
ですから、
男性=身体
女性=心
と分けてしまうのは違います。
ただ、性的欲求が生まれる条件について、女性では関係性や状況、ストレスなど周囲の条件が影響しやすい場合があります。
たとえば夫婦で、
夫はベッドに入ってから急にその気になった。
妻は朝から仕事をして、夕方は買い物、帰宅して食事を作り、片づけをして、明日のことまで考えている。
そこで突然、
「今夜どう?」
と言われる。
妻からすると、
「いや、頭がまだ今日の仕事をしています」
となることもあるでしょう。
これは「女性には性欲がない」という話ではありません。
性欲が出てくるための条件が整っていない可能性があります。
この違いを「愛情がない」と解釈すると、話がややこしくなります。
性欲と愛情は同じものではない
男女の性欲を考えるとき、もう一つ混同しやすいものがあります。
愛情です。
求めてくれる。
だから愛されている。
求めてくれなくなった。
だから愛情が冷めた。
恋愛をしていると、どうしてもそう考えたくなります。
でも、性欲と愛情は完全には一致しません。
大好きな相手でも疲れていれば、その気になれない夜があります。
仕事で頭がいっぱいなら、SEXまで気持ちが向かないこともある。
逆に、性的な魅力を感じたからといって、その人と人生を一緒に過ごしたいとは限りません。
ここは自分も若い頃には、あまり分けて考えていなかった気がします。
求められれば愛されている。
断られれば何となく寂しい。
でも年齢を重ねると、
「今日は疲れているんだな」
という日が普通にあることがわかってきます。
若い頃より、翌日の腰の具合まで考えますしね(笑)。
性欲には、その日の体まで参加しています。
「女性は愛情があればその気になる」も正しくない
これもかなり根強い考え方です。
女性は心が満たされればSEXしたくなる。
確かに、信頼できることや安心できることが性的な気持ちに影響する人はいます。
でも、
愛されている=性欲が湧く
ではありません。
夫のことは好き。
夫婦仲も悪くない。
でも今日はしたくない。
そんなことは普通にあります。
睡眠不足かもしれない。
仕事で疲れているのかもしれない。
身体の変化かもしれない。
理由らしい理由がなく、ただ「今日は違う」という日だってあるでしょう。
反対に、女性が恋愛感情とは別に性的な欲求を感じることもあります。
だから、
「男は性欲、女は愛情」
という分け方では、人間の性は説明しきれません。
わかりやすい言葉ほど、現実から少しこぼれるものがあるんですよね。
年齢で男女の性欲差は変わっていく
性欲の男女差は、年齢によっても同じではありません。
若い頃と60代では体が違います。
これは自分自身が一番よくわかります。
男性では、加齢に伴ってテストステロンが徐々に低下することがあります。
ただし、「何歳になったら性欲がなくなる」という線が引かれているわけではありません。
60代でも性欲の強い男性はいます。(私は強いです)(笑)
女性も同じです。
更年期前後の身体の変化によって性的な感覚が変わる人がいる一方で、年齢を重ねてから性を楽しみやすくなったという人もいます。
妊娠への不安が減った。
子育てが一段落した。
自分の身体や好みがわかるようになった。
若い頃よりパートナーに希望を伝えられる。
そんな変化もあるでしょう。
だから、年齢についても、
「男性は若いほど強い」
「女性は何歳から強くなる」
と一本の線で考えないほうがいい。
性欲は年齢とともに消えるのではなく、形を変えることがある。
自分はそんなふうに感じています。
本当に問題なのは「男女差」より二人の差
ここまで男女の違いについて書いてきました。
でも、恋愛や夫婦生活になると、結局ここに戻ってきます。
世界中の男性と女性の平均値を知っても、隣にいる人の性欲まではわかりません。
「男性は性欲が強いらしい」
と知ったところで、自分の夫がそうとは限らない。
「女性はこういうときに性欲が出やすい」
と知っても、自分の妻が同じとも限らない。
大事なのは、
世間の男女差より、この二人にはどんな差があるのか。
だと思います。
一方は週に何度か触れ合いたい。
もう一方は月に一度くらいでいい。
一方はSEXで愛情を感じる。
もう一方は日常の会話やスキンシップのほうが大事。
そこが違うと、
「なんでわかってくれないんだ」
となります。
でも相手がおかしいわけではない。
自分がおかしいわけでもない。
ただ、違う。
その違いを知るところからしか、二人の話は始まらないのでしょう。
性欲の違いを「愛されていない」に変換しない
性欲の差がつらくなるのは、回数そのものより、
その差に意味をつけてしまったとき
なのかもしれません。
断られた。
↓
自分に魅力がない。
↓
もう愛されていない。
こうなると、一回の「今日は疲れてる」が大きな問題になります。
逆の側もそうです。
求められた。
↓
SEXしか考えていない。
↓
身体だけが目的なのでは。
こうなれば、求められること自体が嫌になります。
性欲には個人差があります。
そして同じ人でも変化します。
だから、相手の性欲をそのまま愛情の点数にしない。
これは長く一緒にいるほど大切なのではないでしょうか。
男女の性欲の違いに「正解」はない
「週に何回なら普通ですか?」
「60歳で性欲があるのはおかしいですか?」
「妻より自分のほうが性欲が弱いのですが変でしょうか?」
性の話には「普通」を探したくなる質問がたくさんあります。
でも、二人が困っていなければ、平均から外れていても問題ではありません。
反対に、世間の平均に近くても、一人が苦しんでいるなら二人にとっては問題です。
ですから、
男性らしい性欲。
女性らしい性欲。
年齢相応の性欲。
そこに無理に合わせる必要はないと思います。
必要なのは、
「自分はこれくらい」
「あなたはこれくらい」
と知ること。
そして違っていたら、
「じゃあ、二人はどうしようか」
と考えることです。
SEXの回数を決めることだけが答えでもありません。
触れ合う。
抱きしめる。
一緒に寝る。
手をつなぐ。
そういう親密さで満たされる人もいます。
二人の答えは、二人で決めていいんです。
まとめ|男女差はある。でも「男だから・女だから」で終わらせない
男女の性欲には、平均的な違いが見られます。
ホルモンの違い。
性的欲求が起こるきっかけの違い。
身体の変化。
心理や生活環境。
さまざまなものが関係しています。
ですから、
「男女の性欲はまったく同じ」
と考える必要もありません。
でも同時に、
「男はいつでもしたい」
「女は愛されなければしたくない」
と決めつけるのも違います。
男女差より大きな個人差もあります。
そして性欲は、その人の中でも変わります。
昨日と今日でも違う。
30歳と60歳でも違う。
相手が変われば違うことだってあるでしょう。
だから科学的な男女差を知る目的は、
相手を分類するためではなく、
「自分と違う感じ方をする人がいる」と知ること
なのだと思います。
それがわかるだけでも、
「どうしてこの人は自分と違うんだ」
という苛立ちは、少し小さくなるかもしれません。
運営者のメッセージ
若い頃の自分なら、
「男なんだから性欲があって当然」
くらいに思っていたかもしれません。
でも61歳になると、人の身体も気持ちもそんなに単純ではないことがわかってきます。
性欲がある日。
ない日。
誰かに触れたい日。
一人でいたい日。
同じ人間の中にも、いろいろあります。
だから「男性と女性は違う」という話は面白いのですが、それを相手に当てはめすぎないほうがいい。
目の前にいる人は、
「男性代表」でも「女性代表」でもありません。
その人なんですよね。
男女の違いを知った最後に、
「じゃあ、この人はどうなんだろう」
と考えてみる。
そこまで行って初めて、男女差を知る意味があるのではないかと思っています。
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