サディストとマゾヒストという性癖【第1部】

―― 支配と受容の心理構造 ――

「サディスト」「マゾヒスト」という言葉は、
日常では誤解を含んだまま使われることが多い言葉です。

  • 乱暴
  • 痛みを好む
  • 歪んでいる

こうしたイメージが先行しがちですが、
心理学的に見ると、SとMは
単純な嗜好ではなく、対人関係のスタイルでもあります。


目次

SとMは「加害/被害」の関係ではない

心理学・臨床心理の分野では、
サディズムとマゾヒズムは
支配―服従の欲求構造として理解されます。

重要なのは、
ここでいう「支配」「服従」は
暴力や強制を意味しない、という点です。

  • S:主導することで安心する
  • M:委ねることで安心する

これは
力関係というより、役割の選好に近いものです。


人はなぜ「非対称な関係」に安心するのか

人間関係は、常に対等である必要はありません。

  • 判断を任せたい
  • 導いてほしい
  • 責任を引き受けたい
  • 流れをコントロールしたい

こうした欲求は、
性の領域だけでなく、
仕事・家族・人間関係全般にも見られます。

SとMの性癖は、
この関係性の好みが、性の場面で強く現れる形
と捉えることができます。


性癖は「人格」ではなく「傾向」

ここで強調しておきたいのは、

Sだからこういう人
Mだから弱い人

といった
人格への短絡的な結びつけは誤りだということです。

多くの人は、

  • 場面によってS的
  • 別の場面ではM的

という グラデーションの中にいます。

第2部では、
それぞれの特徴を、
より具体的に心理構造から見ていきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次