「もう歳だから、そういうことは卒業したよ」 そう笑って済ませてしまうのは、実はとても「もったいない」ことかもしれません。
人とのつながりや会話、安心できる触れ合いは、年齢を重ねたあとの心身の健康と深く関係しています。
ただし、スキンシップだけで脳の老化を防げるわけではありません。大切なのは、孤独を避け、無理のない形で人とのつながりを保つことです。
この記事では、60代からのスキンシップが心の安心や夫婦のつながりにどのような良い影響を与える可能性があるのかを、5つの視点からわかりやすくお話しします。
安心感に関わる「オキシトシン」
手をつなぐ、肩に触れる、寄り添うといった心地よい触れ合いでは、脳内でオキシトシンが分泌されることがあります。
オキシトシンは、人との信頼感や安心感に関わるホルモンとして知られています。ただし、触れ合い方や感じ方には個人差があり、触れれば必ず健康になるというものではありません。
大切なのは、お互いが無理をせず「安心できる」と感じられることです。高価なものを用意しなくても、隣に座ったり、手を添えたりする短い時間が、夫婦の心を落ち着かせるきっかけになることがあります。
孤独を避け、心と脳に刺激を与える
孤独や社会的な孤立は、高齢期の心身の健康や認知機能と関係することが指摘されています。ただし、手をつなぐだけで認知症を予防できるわけではありません。
大切なのは、パートナーや家族との会話、外出、人との交流などを通じて、孤立しない生活を続けることです。
スキンシップは、そのつながりを確かめる方法の一つです。手をつないで話す、隣に座って一緒に過ごすといった時間は、安心感を生み、会話や交流のきっかけになることがあります。
性的な行為にこだわらず、お互いが心地よいと感じる距離で触れ合うこと。それが、年齢を重ねた夫婦の心を支える時間になります。
ストレスを和らげる時間になる
年齢を重ねると、健康への不安や生活環境の変化、人間関係などからストレスを感じることがあります。
パートナーとの心地よい触れ合いや穏やかな会話は、緊張した気持ちをほぐし、安心できる時間をつくるきっかけになります。
ただし、触れ合いだけですべてのストレスが解消するわけではありません。散歩や十分な睡眠、趣味、人との交流なども組み合わせながら、自分に合った休み方を見つけることが大切です。
無理に抱きしめたり、性的な関係を求めたりする必要はありません。隣に座る、手を添える、声をかけるなど、お互いが心地よいと思える方法から始めてみてください。
「大切にされている」という自信につながる
60代以降になると、男女を問わず「自分はもう必要とされていないのでは」と感じることがあります。
仕事を退職したり、子育てが一段落したりすると、それまで担っていた役割が少しずつ減っていくからです。
そんなとき、手をつなぐ、肩を寄せる、相手の目を見て話すといった触れ合いは、「私は今も大切にされている」と感じるきっかけになります。
もちろん、触れ合いが苦手な人もいます。無理に肌を重ねる必要はありません。「一緒にいられてうれしい」と言葉で伝えることも、相手の自信や安心感を支える立派なスキンシップです。
身体を動かすきっかけになる
スキンシップや性生活では、姿勢を変えたり、相手に手を伸ばしたりと、日常生活とは少し違う身体の動きが生まれます。
ただし、性行為を運動やリハビリの代わりとして考えるのは適切ではありません。体力や持病、服用している薬などによって、無理のない範囲は人それぞれ違います。
大切なのは、若い頃と同じように振る舞うことではありません。手をつなぐ、寄り添う、ゆっくり抱きしめるなど、二人が負担を感じない方法を選ぶことです。
痛みや息苦しさ、強い動悸などがある場合は無理をせず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
まとめ|触れ合いは、二人のつながりを確かめる時間
60代からのスキンシップは、若い頃のような激しさを求めるものではありません。
大切なのは、お互いが安心できる形で「今もそばにいる」と確かめ合うことです。
- 安心感を得る
- 孤独を避ける
- ストレスを和らげる
- 大切にされていると感じる
- 無理のない範囲で身体を動かす
こうした時間は、心身の健康を直接保証するものではありません。それでも、人とのつながりを保ち、毎日を穏やかに過ごすための支えになることがあります。
「挿入」や性行為だけにこだわる必要はありません。今夜は「久しぶりに手でもつなごうか」と、気軽に声をかけてみてはいかがでしょうか。
