―― それは「おかしいこと」ではありません ――
「もうこの年齢なのに、性欲がある自分は変なのではないか」
こうした不安を抱える人は、実は少なくありません。
とくに40代後半以降になると、周囲から聞こえてくる声や、世間一般のイメージが、無意識のうちに自分を縛り始めます。
- 年を取れば性欲は落ち着くもの
- まだ求めるのはみっともない
- 若い頃とは違うはず
けれど、こうした考えは**事実というより「思い込み」**に近いものです。
目次
性欲は「年齢」だけで決まるものではない
医学的・心理学的に見ると、性欲は非常に複合的な要素で成り立っています。
- ホルモン分泌
- 脳の報酬系(ドーパミン系)
- ストレス耐性
- 自尊心
- 人とのつながりの質
これらは、年齢と必ずしも比例しません。
たとえば、テストステロン(性欲に関与するホルモン)は加齢とともに緩やかに減少しますが、急激にゼロになるわけではありません。
また、ホルモン量だけで性欲が決まるわけでもありません。
脳は「刺激」よりも「意味」に反応する
若い頃の性欲は、衝動や刺激に強く反応します。
一方、年齢を重ねるにつれて、脳は次第に変化します。
- 安心感
- 親密さ
- 受け入れられている感覚
こうした「意味のあるつながり」に、より深く反応するようになります。
そのため、
年齢を重ねても性欲が残る人は、感受性や関係欲求が保たれている
と考えることもできます。
これは未熟さではなく、心がまだ閉じていない状態です。
性欲がある=若さへの執着、ではない
性欲が続いていると、
「若く見られたいだけでは?」
「老いを受け入れられていないのでは?」
と自分を疑ってしまう人もいます。
けれど心理学的には、性欲は
生きている実感・存在感・他者との接続
と強く結びついています。
それが残っていることは、
「現実を否定している」よりも
「人生との関係がまだ続いている」状態と捉えることができます。
問題は「性欲があること」ではない
ここで大切なのは、
性欲があること自体が問題なのではない、という点です。
問題が生じるとすれば、それは多くの場合、
- パートナーとの温度差
- 話せない空気
- 自分だけが欲しているという孤立感
といった 関係性の中で起きます。
